プロフィール
37年間勤めたホテル会社を定年退職
したことを機に、片手間であった
絵画制作を本格的に再開。
小学生の頃メインであった水彩画から
現在はアクリル絵の具を用いた作品に
注力中。ホテルマンとして培った
「癒し空間の提供」 の感性を作品中に
盛り込むべく鋭意制作活動中。
今回の解説内容です
第1章 「下絵」を作りましょう!
第2章 エアブラシで「空のグラデーション」!
第3章「ベース塗り」で色合いの確認をしましょう!
以上を皆さんが知識、技術として身につ
けられ、ご自身の制作に取り組んでいた
だけると更に素晴らしい作品につながる
と思います。

第一章 下絵を作りましょう!
今回の下絵は、青く広い空、その中に映
える白い灯台と遠くに見える半島、さら
に灯台がいざなう海で構成されています
塗り絵感覚で楽しんでくださいね。
まず、下絵のPDFファイルをダウン
ロードしてください。
ダウンロードがうまくいかない方
面倒な方は、練習用下絵を真似て
ご自身でキャンバス、スケッチブック等
に描いても簡単かと思います。
※下の画像内のボタンから、ダウンロードを開始
↓↓
アクリル絵画を描くにあたり、私は
布地が張られていないベニヤ製の
キャンバスに直接描いていきますが
事前に、キャンバスに下地を作ります。
今回は「F6サイズ」(410mmX318mm )
のキャンバスを使って描いていきたいと
思います。
↓↓↓ ベニヤキャンバス

↓↓↓ 下地剤のジェッソ

下地塗りに使うのは、「ジェッソ」という
白色地塗り剤ほか、刷毛(はけ)、紙やすり
3種セット(P60粗目 P120中目
P240細目)と平皿です。
刷毛(はけ)と紙やすり、平皿とも
100円ショップで購入したものでも十分
使えます。
それでは、作業を進めていきます。
まずジェッソをお皿に出して
概ね3回の重ね塗りをします。
1回目は液が濃いと塗りにくいので
2割ほどの水で薄めると滑らかに
塗りやすくなります。
刷毛を縦、横に滑らせて塗っていき
ましょう。
1回目の塗りは、ムラになっても気に
しないで大丈夫です。全面に塗れたら
一旦乾かします。
作業を早めたい方は、ドライヤーで
乾かすと効率的です。
指に付かないくらいに乾いたら2回目を
塗りましょう。
2回目はジェッソを濃いめにして上塗り
していきます。全面に塗り終えたら再び
乾かしましょう。
3回目はジェッソをほぼ原液のまま
塗りましょう。途中で抜けた刷毛の毛
が画面に付着したりしても、仕上げに
紙やすりをかけて除去できますので、
気にしないで塗ってください。
3回目を乾かしたら次に紙やすりを
かけていきます。
円を描くように粗目(P60)のものから、
中目(P120)、細目(P240)の順で
紙やすりをかけていきます。
刷毛の塗りムラが無くなり、画面が
すべすべになって描き易い状態に
なったら完成です。
次に、下絵の転写に進んでいきます。
前述の下絵用のPDFを印刷された方は
4枚に分割されていますが、4枚を切り
貼りして頂くとF6サイズに合う下絵が
出来上がります。
カーボン紙を用いてプリントアウト
した下絵をキャンバスに転写してい
きます。

咋今、カーボン紙は事務用品で
なかなか使用されていませんので
ネットでの購入が簡単です。
このカーボン紙を、キャンバス
と下絵の間に挟んで、下絵の主要な
線だけで大丈夫ですので、なぞり
ながら下絵を転写をしてみましょう。
塗り絵の太線を作るイメージです。
赤ボールペンなどを使うと、
なぞり終えたところが判って作業が
し易いです。
細かく描きたい部分があればご自身の
判断で加えてみてください。
あくまで下絵ですので忠実に
描写する必要もありません。
ここまで終われば、いよいよ絵の具を
使って描いていきます。
次の第2章では、画面上で大きな
スペースを占める「空」の部分を
グラデーションをつけながら
描いてみましょう。
ここまででひとまずお疲れ様です。
Let‘s have a break!

私は、定年退職を迎えるまで37年間
全国展開しているホテル会社に勤め
ていました。
そのホテルマン人生の中で、2013年
全国を騒がす大変な出来事がありまし
た。
「食品偽装問題」です。
大手ホテル、百貨店、飲食店等の
メニュー表示において、産地や食材
の種類に関する虚偽・偽装表示
が相次いで発覚したんですね。
「鮮魚」と記載しつつ、冷凍保存の魚
を使用していたり、「フレッシュジュー
ス」として既製品のパック飲料を
使用していた、などです。
中華レストランなどでは、メニューに
「車海老」「芝海老」と記しながら、
日常的に「ブラックタイガー」や
「バナメイエビ」を提供していました
ある大阪のホテルから発したこの問題
は全国のホテル、百貨店、飲食業等に
瞬く間に広がり大きな社会問題に発展
しました。
端材を結着剤等で固めた成型肉は
商品が生肉であるかのように誤認
されるおそれがあるので、
「サイコロステーキ」等と表示するのは
NGで、「サイコロステーキ」(成型肉)
と明記するなど速やかな改善が求めら
れました。
当時、私のホテルでも「メニュー表示
チェック」という仕事が発生し、各
ホテルのレストランメニューを確認し
HP上含めて改善作業におわれまし
た。
たとえば、トラウトサーモンは鮭
ではなく「ニジマス」なのでメニュー
表示は「トラウトサーモンのマリネ」と
明確に区別して表示することとなり
ました。
では、安価な回転ずしの「サーモン
握り」、お弁当屋さんの「しゃけ弁当」
はどうするのかな?と疑問でした。
仕入れた和牛・国産牛は本当にそうか?
「個体識別番号」というものを卸業者
から取り寄せ、和牛は牛種、国産牛は
飼育地と生育期間の確認を行いました。
ほか、デザートのアイスでは成分表を
確認し、「〇〇アイスクリーム」と表記
できるか?乳脂肪分の含有量の違いで
少なければ、ラクトアイスなので
「〇〇アイス」。(〇〇アイスクリーム
はNG)など様々な表示の改善が必要
となりました。
飲み物でも「シャンパン」は原産地が
フランスのシャンパーニュ地方に限ら
れるので、それ以外は
「スパークリングワイン」と表示する
などです。
当時の事案では、健康被害につながる
というよりは、上位なブランド偽装で利
益を上げることができるという利欲犯的
な事案が多かったようです。
現在も消費期限の偽装など、食の安全を
脅かす問題がなかなか根絶されて
いないという現実があるようです。
様々な法整備の進化ももちろん
ですが、消費者側も食材に対する
正しい知識と厳しい目を持ちたい
ものですね。
以上、今回はかなり深い社会
問題にふれさせいただきましたが
絵のモチーフには、「和牛・国産牛」か
「外国産ビーフ」かは関係ありませんね
いかに美味しそうに描くかですね!
第2章 エアブラシで「空のグラデーション」!
それでは第2章の「エアブラシ」を使った
「空のグラデーション」についてです。
まず、「空」以外の部分を「マスキング
フィルム」を使って覆ってしまいま
しょう。
↓↓↓ マスキングフィルム

これを貼っておきますと「空」の
部分が格段に描き易くなります。
テープの隙間から絵の具が灯台の
部分へ少し入り込んでしまっても、
後から修正できますので心配
ありません。
使用する絵の具は「フタロシアニン
ブルー」「ウルトラマリンブルー」
と「ホワイト」の3色です。
明るいブルーから濃い青まで
概ね3段階の色を混色しながら
作りましょう。
ベースとなる3色ができたら半島
の上部が一番明るいブルー、
キャンバスの中間が少し濃いブルー
というように上部に行くにつれ濃く
なるようにグラデーションをつけます。
キャンバスの最上部と両角の部分は
一番濃くなるように色の明暗を
つけていきます。両角を濃く
するのは、絵を見る人の視点が
中央に集まるようにするためです。
大まかに3色を塗っていきながら
濃淡をつけていくのですが、
濃淡の境目をファン筆でXバッテン
を描くようにボカシていきます。
↓↓↓ファン筆

ファン筆は毛先が乾いたものが
望ましいので何本か用意できれば
効率的です。
ファン筆で色と色の境界線を
ぼかしながら、筆跡をスポンジで
軽く叩くように消していきます。
概ね筆跡が消えてきたら、更に
「エアブラシ」を使っていきます。
↓↓↓エアブラシ

様々なタイプのものが販売され
ていますが、高価なものでなく
ても、使いがってより慣れかな
と思います。
絵の具は、インク状にゆるく溶いた
「ホワイト」をキャップに入れて
噴霧していきます。
ある一点に吹きかけるのではなく
手を左右に動かして、キャンバスとの
距離も気にしながら少しづつ噴霧して
いくようにしてください。
エアブラシの作業も上部にいくにつれ
噴霧の量は減らして、中間から上部は
薄く白味がかかる程度にします。
ここでもスポンジも併用していくと
うまくぼかすことが出来ます。
この章では、ファン筆、エアブラシ
スポンジを使って進めてきましたが
慣れの部分が大きいと感じます。
皆さんなりの技法もあろうかと
思います。
是非、素晴らしく美しい
グラデーションを表現してみて
ください。
第3章 「ベース塗り」で色合いの確認をしましょう!
それでは、いよいよ
「白い灯台が映える描き方Vol.1」
の第3章に入ります。
この章は、「ベース塗り」がテーマ
です。
この「ベース塗り」は作品の全体的な
完成イメージを抱くのが目的です。
まず、遠景の半島は小さな部分です
が、この章でベース塗りすることで
今後の別記事で「空気遠近法」の
表現方法に触れたいと思います。
メインの建造物である白い灯台は
8角形であることから、日光の
あたり加減で各々の面で微妙に
明暗が違っています。
日光が右上から照りつけている
想定で明暗を付けていきます。
各面の境目は明暗を強調するように
明るい白と少し暗めの白をぶつける
ように配しています。
植栽の部分は、この段階では細かな
描写は必要ありません。別記事で
描き込んでいきたいと思います。
海の部分は、グレーに近い色になって
いますが、ブルー系を重ねて、また
少し波うった感じを用いながら
こちらも海の色を変えながら遠近感を
出したい部分になります。
今回に続く次の記事では
『白い灯台が映える描き方Vol.2』
~「空気遠近法による遠景」
と題して進めて行こうかと思います。
エピローグ
私は、定年退職したことを機に、
改めて大好きな絵画に時間を
かけられるようになりました。
そんな中で、近代絵の具である
アクリル絵の具を用いた素晴らしい
作品に出会うことができました。
美術大学出身の若いプロ画家の
作品に出会い、体の中にくすぶって
いた火種が再燃し始め、現在は水彩画
からアクリル画に軸足を移してみました。
アクリル画と水彩画、どちらも魅力的な
表現方法があります。
その表現の豊かさを活かした制作活動に
今後も挑戦していきたいと思っています。
皆さんが、更に、または新たに絵画を
楽しんでいくうえで、この
「絵画工房 HIKOのスッケチブック」
を一助にしていただければ大変嬉しいです。
それでは、またの機会にお会いしましょう。
絵画工房 HIKO 吉田 明彦

エアブラシを使った「空のグラデーション」


絵画 HIKO HP